人間の体には、本来、「もとの健康な姿に戻る力」が備わっています。この力を「自然治癒力」あるいは「自己治癒力」などと呼びます。つまり「人間の体には、もともと病気を治す力があります。不調があっても、やがて回復へ向かう仕組みを有していますよ」ということです。
このような「復活する力」が人間に潜在している、という考えのもとに、私たちはハーブやアロマテラピーをおすすめしています。いろんな自然療法がありますが、その根底には共通して自然治癒力の思想が流れているはずです。
なぜ人は病気になるのか?
では、どうして治る力があるにもかかわらず、人は病気や体調不調になってしまうのでしょうか。自然治癒力があるなら、すぐに治ってもよさそうなものです。
病気の原因と結果を考えるとき、植物の中にヒントを見出すことができます。
一般的に、植物は人間のようにしょっちゅう病気になることはありません。太陽の日差しを受け、地に根を伸ばしながら上や横にどんどん広がっていきます。その姿は、とても純粋で一途に見えます。自分の命の限り、ただ懸命に生きようとしています。
そうした植物の生き方・育ち方に、人間の治癒力を引き出すためのヒントが隠されているように思うのです。それは「調和」です。
「調和」とは、人と自然、内と外、自分と社会といった両極のつりあいがとれている状態をいいます。調和が乱れたことによって、内なる治癒力が抑止されていると考えられます。
植物の助けを借りる
ありがたいことに、植物は私たちの役に立つ成分をつくり出し、苦しみや痛みを和らげてくれます。あるときはハーブティーとして、あるときは精油として、あるときはバッチフラワーとして姿を変えます。
植物の助けを借りることで、心身が調和へと導かれるのです。
大自然は、植物を通じて「調和」というすばらしい贈り物を私たちに与えれくれました。その贈り物をもっと多くの方に体験していただきたいと思っています。
守安 瑞江